夏季特別企画『なんだかうれしい!2015』で展開しているアーティストと一緒に「なんだかうれしい」きもちを見つけたりつくったりするプログラム『なんだかうれしい!アーティストプログラム』実施報告第2弾です。

8月に5人のアーティストによる5つのプログラムが実施されました。

8月4日(火)は河村陽介さんによる『ぐるぐる3D写真スタジオ』をおこないました。デジタル機器を駆使する河村さんの活動はいつも新しいメディアとの出会いをもたらしてくれます。今回は360度ぐるっと撮影したデータをパソコンで組み合わせて立体的な3Dデータにして、実際にそれがフィギュアのようにできあがる、といったプログラムです。

参加者はグループごとに「なんだかうれしいポーズ」をとります。そのまわりを河村さんがカメラで一周撮影していきます。じっと動かないでいるのは大変!子どもたちはできあがった3Dデータをみて大興奮。こんな風に自分が立体的になるとは予想外だったかもしれません。後日、3Dプリンターで全員のポーズをあつめた不思議なフィギュアとして展示されました。

8月12日(水)は鯉江明さんの『土をふむ』。デジタルから一転、プリミティブなプログラムがおこなわれました。

センターのACCCプログラム『土をほる』で掘った土と、貫入土という2種類の土を泥状にして、その土を踏んでいくというシンプルなプログラムです。ちょっと冷たい感触で、踏みながらその感触や気持ち良さを体感していきます。子どもも大人も足を泥だらけにしながら土を思い切り楽しみました。

8月15日(土)は田嶋茂典さんの『なんだかうれしい!いろ・かたち』をおこないました。

不定形にカットされたカラーセロファンや糸、布などさまざまな素材をつかって、「なんだかうれしい」を表現します。自分の好きな素材を選び、小さな透明のカードにはさみます。それをライトボックスにおいて画面に大きく映し出していきます。

「理由はわからないけどなぜかくすっと気持ちが動く」そんな「なんだかうれしい」気持ちをつくる今回の企画テーマを体現するようなプログラムになりました。

8月23日(日)は小田富美子さんの『きりはりのえ』でコラージュを体験しました。普段の制作でもコラージュによる作品制作をおこなっている小田さんと一緒に、いろいろな本や雑誌から気になるもの・面白いと思ったものを切り出し、思い思いに組み合わせて新しい絵をつくります。できたあとはみんなでそれぞれの絵をみたり、飾ったりしました。鉛筆や筆で描く普通の絵とは違って思いがけない組み合わせが生まれ、不思議な絵ができあがりました。

最後の『なんだかうれしい!アーティストプログラム』は、8月29日(土)・30日(日)におこなった福永輝久さんの『ぬりなおし』です。本物の自動車をセンターの中に持ち込み、色をぬりなおしました。

「タッチ(筆跡)」楽しみながら色を塗るこのプログラムは、最初にオランダの画家ゴッホの紹介からはじまります。特徴的な盛り上がったタッチを福永さんが紹介し、そのタッチをまねるように自動車に色をぬっていきます。

使う色は1色。自動車の元の色と同じ白色です。半分だけを塗っていきました。2日間でおよそ500人の人が参加してみんなで天井から前、横、後ろと塗り重ねていきました。最後にマスキングカバーを外してみると、半分だけぬりなおされた奇妙な自動車が誕生しました。

9月中展示予定ですので、あそびに来たときにはぜひ見てみてくださいね!