あのねっと 今号の特集テーマ 子育て、親育ち  

いま活用したい!子育てサポートin高浜市
高浜市は、最初の支援センター開設から10年余にわたる子育て支援の歴史を持っています。
支援の特徴は、子育ての社会化をめざす充実した支援サービスと、それを支えるさまざまな市民の協力です。
親のニーズを踏まえて多様な保育を行う幼保園、中高生たちの自主的な活動拠点、
子育てが楽しめるよう企画された講座など、支援現場の“今”をリポートします。
1.翼幼保園 保育園と幼稚園のよさを生かして。お母さんや小学生の居場所も。
幼保園の1日は、こんなふう!

 朝7時半。乳幼児を連れたお母さんが来園しはじめ、職員に子どもを託して出勤していく。そして、9時ごろ、園のバスに乗った幼児たちが到着し、各クラスへ合流。一方、同じフロアにある子育て支援センター「ひなたぼっこ」には、未就園児を連れたお母さんが自由に訪れ、子どもを遊ばせたり、お母さん同士で話したり。また、午後になると、近くにある2つの小学校から、授業を終えた1年から3年までの子どもたちが、児童クラブ「ひこうきぐも」に来て、宿題などをしながらお迎えを待つ。
 2007年にオープンした翼幼保園は、保育園と幼稚園の両機能を融合させて、就学前の保育・教育を行う認定こども園。子育て支援センターと児童クラブを併設する。
 3〜5歳児の各クラスでは、保育園機能と幼稚園機能が重なる午前9時から午後2時半までは、ひとつの部屋で一緒に活動。2時半に幼稚園機能の幼児が帰ったあとは、お迎えの時間まで好きな遊びをして過ごす。幼保園・支援センター・児童クラブなどの運営は、各担当スタッフを中心に互いに協力し合って行う。また、栄養士が常駐し、園長たちと相談しながら幼保園の給食から児童クラブのおやつまでを管理する。シルバー人材センターの高齢者たちも、子どもの世話を手伝っている。

プレママと親子が交流する「たま・ひよの日」

子育て支援センター「ひなたぼっこ」では、月1回、乳児を育てるお母さんと、出産を控えたプレママが交流する「たま・ひよの日」を開催している。1月は、10組の親子と2人のプレママが参加。最初に親子が軍手マッサージなどを楽しんだあと、車座になって子育ての悩みなどを話し合い、途中からプレママが加わってその様子を見守る。最後のティータイムで、お母さんとプレママが一緒にケーキとお茶を楽しみながら、「出産はどこの病院で?」などと話しかけ、会話をはずませた。
 プレママの永坂朋子さんは「6カ月になるとあんなに大きくなるんですね。母乳育児の話が聞けてよかったです」。礒谷明子さんは「相談しやすい雰囲気がいいですね。子どもが生まれたら、ここで友だちをつくりたい」と気に入った様子だ。また、親子で3回目の参加という中條千佳さんは「今日は、栄養士さんに離乳食のアドバイスをもらうことができました」と喜ぶ。
 支援センターの活動は、児童クラブの部屋や中庭、多目的ホールなどでも行われる。児童クラブも、夏休みに園のプールを利用する。また、児童クラブの子どもが、支援センターに来た親子に興味を示して、赤ちゃんとふれあうことも。多様な機能を併せ持つ施設ならではの幅広い支援や交流が生まれている。

園児同士がよい影響を与え合って
福上秀子園長

幼児クラスでは、2時半に帰っていく他の子を見て、「どうして?」と聞いてくる子もいますが、「お迎えの時間が違うから」と説明すると理解してくれます。3歳児クラスでは、乳児クラスから持ち上がりの子と3歳入園の子が一緒になりますが、すぐに慣れ、お互いによい影響を受けながら成長しています。また、子育て支援センターの利用者が入園したり、卒園生が児童クラブを利用したり。親御さんは園の様子をよく知っているので、安心してお子さんを預けていただけるんだと思います。

子育てのエネルギー
補給の場に
杉村和子子育て支援センター長

「たま・ひよの日」は、出産前に他の親子の様子を見られると心強いだろうと思って企画し、保健センターの「パパママ教室」などでお知らせしています。「ママタイム」では、リフレッシュして子育てのエネルギーを得てもらえればと思います。子育て相談は、食事のことなどちょっとした相談を遊びに来たついでに受けることがほとんどですね。アドバイスをするときには、お母さん自身に気づいてもらえるような言葉がけをするようにしています。

家庭のような
雰囲気づくりを
真城貴子児童クラブ指導員

子どもたちには、家にいる延長でのんびりと過ごしてもらえるようにと心がけています。他の子を気づかうやさしさを見せてくれたり、だれかが困っているときにも、私が「どうしようねえ」と少し言葉をかければ、3年生の子が助言してくれたりするんですよ。親御さんにも児童クラブの活動を理解していただいて感謝しています。

社会福祉法人清心会 認定こども園 翼幼保園

高浜市神明町2-8-2 TEL 0566(95)5055

【施設概要】
●開館時間
 月〜土曜日 7:30〜19:00
●休館日
 日・祝日、年末年始

【サポート内容】
幼保園
保育園機能(0〜5歳児対象)と幼稚園機能(3〜5歳児対象)があり、デイリープログラムの他、英語(3〜5歳児)・体操(5歳児)・スイミング(5歳児)・造形(幼稚園機能児)の各教室を開催。年間行事は運動会・移動動物園・もちつき会・生活発表会など

子育て支援センター「ひなたぼっこ」
●子育て相談
月〜金曜日 9:00〜16:00
●ひなたぼっこ開放
月〜金曜日 9:00〜16:00
●設定遊び・自由遊び
月〜金曜日の午前
●たま・ひよの日
第1水曜日 10:30〜12:00。対象は、生後2カ月からハイハイまでの赤ちゃんと保護者、出産予定者
●ママタイム
保護者対象。ストレッチ教室、ママの手(おやつ作りや手芸)
●その他
双子の会、子育て講座、栄養相談、クッキング、幼保園行事への参加など

児童クラブ
小学1〜3年生対象。月〜金曜日 9:00〜18:00。
早朝・延長・土曜保育あり

特定保育
園児以外の0〜5歳児対象。週2〜3日または半日だけ就労する場合などの保育

預かり保育
幼稚園機能の園児対象。
降園時刻以降の一時的な保育

【情報誌】
「ひなたぼっこ」
子育て支援センターの毎月の予定などを掲載