新型コロナウイルスはわたしたちの生活を短期間で大きく変えてしまいました。これまで普通にできていたことができなくなったり、人と会う機会が少なくなったり、不自由を感じることも多くありました。その一方で、自分のまわりを改めて丁寧に見つめる時間も増えました。
庭に咲く小さな花や、家族でのささやかな会話、近所にみつけた知らない道など、ほんの小さな出来事をとりあげて、その幸せをSNSなどで発信している人たちがいます。これまで仕事や勉強などで忙しい中、見過ごしてしまっていた物事が、困難な状況下だからこそ、わたしたちの目に新鮮でかけがえのないものとして飛び込んできます。
『なんだかうれしい』（福音館書店）は、「谷川俊太郎+だれかとだれか」による絵本です。ごはんの炊ける匂い、どこからか聞こえてくるピアノの音、夕焼け空、理由はわからないけど心をくすぐられるような、言い表せない「なんだかうれしい」気持ちが綴られています。
そんな「なんだかうれしい」気持ちをテーマにした作品をあつめた「なんだかうれしい！てんらんかい」をセンターで開催します。新型コロナウイルスによって世界が変わって行く中、不安や心配はもちろんありますが、そんな時だからこそ「なんだかうれしい」気持ちに寄り添うことで、今一度自分の世界を見つめ直してみます。ほんのささやかな出来事に宿る「なんだかうれしい」気持ち、作品からこぼれ出る「なんだかうれしい」は、どんなふうにあなたに響くでしょうか。
