アートと遊びと子どもをつなぐメディアプログラム汗かくメディア2010受賞作品公開展示

終了しました

  • 会期
    2010年9月11日(土)から9月26日(日)まで
伝音板

[shogi]

作品解説

普段僕達は、自分の身の回りで鳴っている音をどれだけ意識しているでしょうか?大体どこからどんな音が出ているのか予想がつくし、気になる音や話以外は耳に入って来ません。耳あたりの良い音も耳障りな 音も本当は廻りにいっぱいあって、たまにはそんな事を意識してみても良いのでは?
駅の伝言板のような形をした「伝音板」という音の出る装置で遊んでもらいます。楽器を演奏しようとすると予想外のところから、予想外の音が!思う存分耳を使って遊んで行って下さい。

作家感想

公開時に作品の前に立ってみると様々な発見がありました。まずは、子ども達について。始めは照れながらやってきても、音の仕組みが分かった時、算数の問題が解けたような顔をしてとずっと伝音板を叩いていたり、何度も戻ってきてくれたり。最後は後ろのスピーカーを指差して「なーんだ」と笑う子もいたし、自分なりの叩き方を考える子もいました。こちらが思っていたよ りもずっとパワフルで素直で沢山刺激を頂きました。 また、お父さん、お母さんの反応も様々で仕組みを考えては僕達に質問してきたり、ずうっと遊んでいたり。児童総合センターは大人に子どもの表情を戻す場所でもあるのだと感じました。親子が別れてそれぞれの伝音板の前で「いくよー」と声を掛け合っている場面は、言葉にならない会話をしているようで感慨深いものがありました。不馴れではありましたが、僕達にこのような場を与えてくださった審査員のみなさん、スタッフのみなさんに感謝したいと思ます。今回の公開を通じて、僕達が今まで考えてきた「環境の中で音を出す」という事の意味や、方向性について考えを一歩進める事が出来ました。最終日には伝音板を使った演奏会もさせて いただきました。今後も人が音楽に出会う場の提供や、音の考え方の提示ができるように、挑戦をしていこうと思っています。

◎『なげる、あてる、ひろがる』

[スイッチ]

作品解説

『なげる、あてる、ひろがる』はボールを投げる事でインタラクションを起こす作品です。
壁に仕組まれたセンサーによって、ボールの当たった場所(パネル型スクリーン)に音と映像が広がります。
ボールの当たる強さと当たった場所によって音と映像は変化します。
ボールを弱い力で当てた場合、映し出される映像は小さく広がり、強い力で当てた場合、映像は大きく広がります。
体験者はボールを投げるという行為を通して、身体と行為を自己認識し、変化する作品を通じて新しい遊び方やボールの投げ方、さらに複数で体験している場合では隣人との連携など身体的行動によるコミュニケーションが生まれます。
私たち「スイッチ」は投げて遊ぶという最小限のルールだけ提示して、後は体験者が自ら遊び方を創造し、実行し、アートします。

作家感想

ボールをなげるという行為は思いのほか体力を使います。『なげる、あてる、ひろがる』で遊んでくれた子ども達は、皆、常に全力投球で遊んでくれました。また、展示フロア内に転がったボールを集める為に、フロア中を全速力で走り回っていてとても良い汗をかいていました。
ボールを壁に当てると映像が出るというシンプルな作品ですが、子ども達にとってはとても不思議な体験だったらしく、何度も遊びに来てくれた子も数多くいました。
展示期間中最も嬉しかったのが、最初はボールを上手く投げれなかった小さな子が、遊んでいるうちにとても上手にボールを投げれるようになった事です。自分の投げたボールで映像が出た時に、お母さんとハイタッチして大喜びしてたのが印象に残っています。
展示期間中、ささやかながら、小さな子どもが成長する場面を毎日観させていただき、とても貴重な経験をさせてもらいました。

◎RIPPLE

[林桃子, Villavicencio Paul]

作品解説

RIPPLE(リプル)は,ウェアラブルデバイスを身に付けて体を動かすと,その動きに応じてスクリーンの映像が変化する参加型のインスタレーション作品です.リプルには,さざなみ,さざなみのように広がる連想,影響,電気の波動という意味があります.ここでは,人の体の動きや人と人との距離などの情報から,人とのつながりのなかにあるだろうリプルを色のドット(まる)でスクリーン上に表現しています.それぞれに異なる色のウェアラブルデバイスを身に付け,ジャンプしたり体を左右に振るように動かすとドットも大きくなり,数も増えていき,また,周りの人と向き合って近づくとドットも近づき,最後に色が混ざり合います.

作家感想

リプルは,大人も子どももジャンプしながら,色とりどりの小さいドットが動いていく様子を眺めて楽しむ作品でした.予想外だったことは,みんなウェアラブルデバイスを怖がらなかったことです.むしろ興味津々のようで,体に巻き付けるとじっと見ている子,確かめるように触っている子など,さまざまな反応を見ることができました.遊びはじめてからしばらくして,自分の動きによってスクリーンのドットが変化することがわかると,どこまで高くジャンプできるか,どれだけ早く動くことができるかと試す子どもたちが出てきました.またもっと小さい子どもは,より感覚的に体を動かしながら楽しんでいるようでした.そして,本当にみんな汗をかいて「疲れたー」というまで動き続けていたことを嬉しく記憶しています.
リプルでもっとも重要な色のドットが混ざり合う部分では,大人も子どもも,友達でも友達でなくても,お互いに向き合って近づいていくことではじめて色が混ざるため,おじさんと子ども,お母さん同士が向き合って遊んでいるというような意外なつながりも見ることができました.最後に,いろいろと協力してくださった職員,スタッフのみなさまにお礼を申し上げます.

※プログラム内容は予告なく変更することがあります