汗かくメディア選考結果のお知らせ

アートと遊びと子どもをつなぐメディアプログラム2025汗かくメディア選考結果のお知らせ

子どもたちに新しい世界の扉を開く、新しい「あそび」のきっかけとなる作品を全国公募し、このたび、3つの作品が「汗かくメディア賞」に選ばれました。

愛知県児童総合センターは、屋内型大型児童館として1996年に開館し、常に子どもたちに新鮮な驚きと発見をもたらすあそびの開発を行なってきました。その一環として、開館以来「アートと遊びと子どもをつなぐメディアプログラム」として、アートの視点による新しいあそびの提案を永年、全国公募してきました。一旦公募に区切りをつけ、2019年募集再開を機に、さらに[アート]と[あそび]と[メディア]の原点に立ち返り、子どもたちが新鮮な視点で世界に主体的にかかわり、新しいコミュニケーションや表現を可能にするあそびのプログラムやあそび環境への提案を今後も期待し続けます。

2025年1月20日から3月21日まで『アートと遊びと子どもをつなぐメディアプログラム2025 汗かくメディア』と題し、さまざまなメディア(媒体)による作品の全国公募を行ない、24作品の提案がありました。

審査の結果、下記の3作品を、『アートと遊びと子どもをつなぐメディアプログラム2025・汗かくメディア賞』として選考しました。
選考された作品は2025年10月中に愛知県児童総合センターで、子どもをはじめとした幅広い方々が体験できる参加型展覧会として実現します。

 

着物に柄を描こう [山田 なつみ]
■作品説明

和柄には模様により様々な意味合いがあり、その中には子供への健康や成長祈願等もあります。
今回は紙で模した振り袖に子供達に模様を描いてもらいます。方法としては、ローラーに毛糸や梱包材等を巻き付け、水性絵具で描いていくものです。
出来上がった模様にはそれぞれ「願い事」を付けてもらい子供達の願いが沢山詰まった着物を作ります。

■プロフィール

名古屋芸術大学 卒業
仕事と家事育児を両立しながら作家活動をしており、子供との生活の中で得た気付きを作品に取り入れて制作している。今年から一宮市にて月一で子供向けワークショップを行っている。

amumaku→?-遊びが発展する未完成の遊びコンテンツ-[小松 千聖]
■作品説明

amumaku→?は、大きな編み機で編んだり巻いたりして遊具・遊びアイテムを自分で作り、こどもたち自身で遊び場を作り上げていくコンテンツです。指先も全身も使い、一人でもみんなでも、時には大人も楽しめます。
今回の企画では、実際にこどもたちが編んだり巻いたりして作ったものを施設の遊具として使用することで、 自分たちで遊び場を作り上げていく楽しさや達成感を味わってもらいたいです。この企画を通して、こどもたちが幅広い年代の人と関 わり、自分で考え、周りの人と協力し、どんどん遊びを生み出してほしい。 そして、愛知県児童総合センター×amumaku→?× こどもたちで、こどもたちが考えた遊びが広がる、豊かなアイデアで溢れた遊び空間を作りたいと考えています。

■プロフィール

名古屋芸術大学スペースデザインコースを2025年に卒業後、大学院に進学。現在は、人とモノの関係性におけるこどもの遊び及び遊びコンテンツのあり方について研究を行っている。

オノマトペの庭 [山口 果那 + 岡村 美紀]
■作品説明

ようこそ、「オノマトペの庭」へ。ここは、オノマトペが鳴るリングを使って遊ぶ体験型のインスタレーションです。
言葉には、意味だけでなく、音としてのおもしろさもあります。「かさかさ」「ふわふわ」「ざわざわ」……そんなオノマトペは、言葉の中でも特に、音のひびきを楽しめるユニークな存在です。ここでは、体の動きによってオノマトペが響き合い、ときには重なり合いながら、その意味や感じ方がゆっくりと変わっていきます。
まるで季節や天気で表情を変える庭のように、私たちのかかわりが、音の風景を新しくつくってゆくのです。

■プロフィール

山口 果那
大阪府出身。筑波大学大学院博士後期課程1年。身の回りの小さな事象に耳を向け、その対象の特性を活かして遊ぶ方法を模索中。現在は傘に当たる雨音や傘の空間性について研究している。

ミキオ( 岡村 美紀 )
信州高山村出身。筑波大学大学院博士前期課程2年。空想をはじめたくなるような、ふしぎな知覚をうみだす表現を探索中。現在は音象徴性を反映する映像や造形生成について研究している。