あのねっと 今号の特集テーマ 子育てに、よろこびを感じるとき  
いま活用したい!子育てサポートin岡崎

いま活用したい!子育てサポートin岡崎市

最初の支援センター開設から15年の支援の歴史をもつ岡崎市では、今年度から子育て支援担当部を新設して、さまざまな支援施設の運営から児童手当や相談まで、より幅広くきめ細やかな支援をすすめています。2005年から地域交流センター内で「つどいの広場」をNPOとともに運営したり、2008年から子育て家庭優待事業「はぐみん」を始めたりと、地域社会全体で子育てをサポート。また児童の健全育成を目的に、「太陽の城」では、遊び場を提供したり、子どもたちが芸術文化を体験できるイベントや教室などを開催しています。それらの子育て現場をリポートしました。
1.総合子育て支援センター 「地域全体で子育て」を根づかせ、きめ細かくお母さんを支える中心施設
わらべうたで親子のふれあい
 7月のある平日の午前中。城北保育園の3階にある岡崎市総合子育て支援センターで、子育て講座「わらべうたであそぼう」があり、乳幼児とお母さん40組が親子のふれあいを楽しんだ。
 子育て講座は、総合子育て支援センターの「子育て支援センター事業」のひとつで、お父さん向け講座を含めて年10回開催されている。
 「わらべうたであそぼう」の講師は、わらべうたに携わって20年という小学校音楽非常勤教員の楫野(かじの)加津子さん。楫野さんはこの日、澄んだ歌声で「どんどん橋」や「いっぴきちゅう」などのうたを次々と披露しながら、支援センタースタッフとともに親子たちとふれあい、わらべうた特有の心地よい世界へと引き込んだ。お母さんたちも一緒に歌いながら、ひざの上で子どもを揺らしたり、全員で輪になってステップを踏んだりした。
 締めくくりに楫野さんは「お母さんが子どものために歌うことの大切さを感じてもらえたら、うれしい。子どもは、大きくなっても覚えているものですよ」とお母さんたちに語った。
子育て支援の人材バンクを新設
 子育て支援センター事業には、子育て講座のほかに、離乳食などをテーマにしたミニ講座や、赤ちゃんの月齢別に子育て仲間と出会える「ころころひろば」などがあり、自由に遊べるスペースもセンター内に常設。育児相談や子育てサークルの育成・支援、各地区で活動するサークルへの出張支援なども行っている。また、2006年4月に人材バンクを設置し、バンクに登録する栄養士や歯科衛生士など、子育てに関する専門性を持った個人やグループが、ミニ講座の講師を担当している。登録者数は20組(2008年7月現在)。
わらべうたの魅力を伝えたい
わらべうた講師 楫野加津子さん
「かごめかごめ」でもわかるように、歌いながら手をつなぐ、歩く、他の人の声に耳を澄ますなど、わらべうたは遊びの中で「拍」を感じ、共感や思いやりの心を体感できるもの。また、半音のないシンプルな音階のため口ずさみやすく、替え歌にもしやすいなど想像力が広がります。その出発点が親子のわらべうた。歌詞の意味がわからなくても、昔の子どもが生活の中で生み出してきた、その世界の心地よさと心の豊かさを感じてもらえればと思います。
市内各地に広がるサポートの輪
 総合子育て支援センターは、1993年に最初の子育て支援センターが開設以来、蓄積してきた支援ノウハウを結集して2005年にオープン。現在7人の専門スタッフが配置され、「子育て支援センター事業」と「ファミリー・サポート・センター事業」を行っている。
 ファミリー・サポート・センターは、子育ての手伝いをしたい人と手助けをしてほしい人が会員となり、地域で互いに助け合いながら活動する会員組織。現在、援助会員の増員を進めている。
 また、子育て支援センターと連携する市内のサポート拠点として、地区子育て支援センターが5つの保育園内(福岡・藤川・常磐・島坂・豊富第二)にあり、さらに地域交流センター(なごみん・よりなん・やはぎかん)で「つどいの広場」(17ページ参照)、17の公私立保育園で「子育て広場」を開設。各地区の民生・児童委員協議会による「子育て支援の会」もボランティアで活動している。
いい効果が出ています
総合子育て支援センター
鈴木よし子所長
「ころころひろば」で出会ったお母さん同士がサークルをつくったり、保育園の「子育て広場」で外遊びをさせるなど、お母さんは上手に支援を利用されています。また、奉仕精神にあふれるファミサポの援助会員さんには頭が下がります。育児相談では、共感する姿勢でお話を聞き、他機関との連携を強めてお母さんをサポートしています。「地域全体で子育てを」という意識が広がっていますが、まだ支援のことを知らないお母さんや関心のない層に、さらに働きかけたいですね。
 
友だちが増えました
支援センター利用者
濱村美穂さん(お子さんは1歳)
自宅から徒歩5分ぐらいなので、ほぼ毎日遊びに来ています。親子ともにお友だちが増えましたし、センターの先生には子どもの食事や睡眠のことなどを相談しています。4時まで利用でき、午後のお昼寝のあとでも来られるのでありがたいですね。
サポートをフル活用
支援センター利用者
藤生恵子さん(お子さんは1歳
今日のわらべうたでは、子どももリズムに合わせて手をたたいて喜んでいたので、うたを覚えて家でも歌ってあげたいと思います。3つの子育てサークルや児童センターの催しなどにも参加したりして、秋に仕事復帰するまで積極的に動くつもりです。

総合子育て支援センター

岡崎市八帖北町4-9 城北保育園3F
TEL 0564(26)0706 FAX 0564(87)5051

【施設概要】
● 開館時間 月〜金曜…9:30〜12:00、13:00〜16:00、
      土曜…9:30〜12:00
● 休館日  日祝日・年末年始
● 施設内容 サークルルーム3室・プレイルーム・授乳室・会議室・相談室2室など

【サポート内容】
子育て支援センター事業
●自由に遊べるスペース
開館時間いつでも利用可能
●催しもの
子育て講座(年7回)、パパ講座(年3回)、ミニ講座(月1回程度)、講演会
●育児相談
電話・来所・出張・手紙・FAXで実施
電話受付…月〜金曜8:30〜17:15、土曜8:30〜12:30
●子育てサークルの育成・支援
●子育て人材バンクへの登録・人材派遣
ファミリー・サポート・センター事業
TEL 0564(87)5050 FAX 0564(87)5051
● 会員の募集・登録
(2008年4月現在の会員数は、依頼会員773人、援助会員118人、両会員115人)
●相互援助活動の調整
●講習会・交流会の開催
●広報誌の発行

【情報誌】
「子育てだより すくすく」
催しものの案内や子育てサークルの紹介などで構成。毎月発行。
  2.西部地域交流センター「やはぎかん」   3.青少年センター・児童センター「太陽の城」