特集 あのねっと発「テーマトーキング」
母親向き、父親向きって、あるの?
編集部  子育ての中で、これは母親向き、これは父親向きというのはあるのかどうか。その点についてはいかがでしょうか。

中野さん  「3歳までは母親がみるべきだ」といった共通理解があるけれど、ぼくのこれまでの経験から言えば、それを父親がやっても全然かまわないと思う。「食事のしたくは女性でフロに入れるのは男性」ではなく、男が全部やったって何の問題もない。こう言うと、ぼくは特異な存在として扱われがちなんですが、実際はぼくがモデルにした先輩のお父さんたちもいるわけで、キワモノ扱いしないでほしいと(笑)、常日頃から思っています。

智さん  うちの場合は寝かしつけとか、お母さんでないとダメというのがあるんです。ぼくが寝かしつけても寝ないから、やりたくてもやれない。夜起きたときには横にお母さんがいないとダメだし。

亜紀さん  「お父さんのところに行きな」と言うんですけどね(笑)。

中野さん  うちは夜中に目をさますと「お父さんおしっこ」とか「お父さん牛乳」とか。(一同笑)お父さんが起きないこともしばしばあって、そういう時はお母さんのところに行きますけど。

亜紀さん  人に聞くと、ふだんはお母さんが面倒をみていても、「この時だけはお父さん」ということもあるようですから、時間の長さじゃないんですね。

中野さん  何かあったときの接し方だと思うんですよ。スッと動いてくれるのはどっちかとか。(一同笑)

神田先生  「アタッチメント」(愛着)と言って、保育園で1クラスに保母さんが複数いると、子どもがそれぞれ1番の保母さん、2番の保母さんを決めているみたいなんです。昼間遊ぶのは2番でもいいけれど、お昼寝とか着替えは1番の方がいいとか。だから、そういう意味では、2番の人は昼間大いに遊んであげるのもいいですね(笑)。
 時間が短くてもお父さんの方がいい部分があるというは、お父さんがすごく楽しんでいるのかもしれませんね。時間の長さも関係あるけど、子どもは自分とつきあって楽しそうにしてる人を1番にするところもある。
 柳田さんは5人も育ててお仕事もされていて、すごく偉いなあと思うんですが、「お母さんだからしなくては」というのではなく、個性でやってらっしゃるというか。同じことを他の人にやれと言ってもむずかしいですよね。
柳田さん 無理にやってるつもりは全くないですし、その時にできる人がやればいいという感覚なんですね。もちろん夫がいれば「ミルクあげておいて」という時もありますし。父親向き、母親向きというのは深く考えたことがないんですが、その人の性格もあると思う。夫は子どもに甘くて、私がダメだと言ってもすぐ「いいよ」と言ってしまう。私は食事中にテレビは見せませんし、子どもに対して「まあ、いっか」はないんです。しつけに限らず、ダメなものはダメというふうですね。


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