
本作品『音玉-ontama-』(以下『音玉』)は,子供たちが自由に手に取って遊べるボール型の作品です.『音玉』に向かって話しかけたり音を聞かせたりすると,その音が『音玉』に録音されます.
『音玉』を弾ませたり,投げたり,転がしたりすると,録音された音が『音玉』から再生されます.また,それと同時に『音玉』は光ります.『音玉』に加える力の大きさに応じて,光の色や再生される音の大きさが変わります.
子どもの『遊び』(*)は,「体を鍛える」「心を養う」「仲間の輪を広げる」といった大切な役割を持っています.また,空想したり夢を見たりイメージを描いたりという子どもの「想像」は,『遊び』を通じてはじめて現実へと結びつきます.『遊び』は子どもの身体と精神の成長に欠かせないものです.
現在の子どもの『あそび』としてコンピュータゲームやインターネットなどがあげられます.これらの遊びは想像力をかき立てられ,感情も左右されます.しかし,子どもは非現実的な世界にこもってしまうことが多く,本来の『遊び』として機能していません.
現在の『あそび』では,子どもの「心」と「身体」が決裂していると言えます.画面の中の出来事にどきどきわくわくしていても,子どもたちの体は全く動きません.周りの人と言葉や動作でコミュニケーションをとらなくても,一人で遊ぶことができてしまいます.
子どもがよりよく成長するには「心」と「身体」が結びついた『遊び』が必要であるといえます. これらから,私たちは「心」と「身体」が結びついた『遊び』のきっかけとなる作品を提案しました.
「心」は喜んだり悲しんだりを表現することで養われます.声を出して歌うことや踊ることが例としてあげられます.
「身体」は,走り回って汗をかいたりと思い切り体を動かす遊びで養われます.特にボール遊びは投げる,蹴る,転がす,と様々な動作ができ,大きなアクションをとりやすく体を十分に動かすことができます.
本作品『音玉-ontama-』は本体に録音・再生機能を備えており,子どもたちが大きな声で感情を外に出すきっかけを作ります.また,本作品はボール型で,子どもたちがおもいきり投げて,蹴飛ばして,機能します.
本作品を使うことによって,子どもたちが大きな声を出して,体を動かし,周りの子どもたちとコミュニケーションをとることを目的としています.また,子どもたちが『音玉』を使った様々な新しい遊びを生み出してくれることを期待しています.
(*)子どもの成長にかかせない本来の目的を持った遊びは『遊び』,コンピュータゲームなどの現代の遊びは『あそび』と明記しました.