in 常滑市民アリーナ

愛知県児童総合センターでは、スタッフがさまざまな遊びの企画を専用マイクロバス「ゆめたま号」に乗せ、あちこちの児童館などへ出かけています。「たくさんの子どもたちに遊びの楽しさを体験してもらいたい」という市民グループの希望に応えて、6月に常滑市民アリーナで行った「えほんのワークショップ」には、100人以上の子どもたちが集合。自分だけのオリジナル絵本づくりを思い思いに楽しみました。
駒形さんの絵本にならって、色画用紙を貼ったり絵を描いたり。
 「えほんのワークショップ」は、児童総合センターで実施した「コマガタワールド−創造的な絵本の世界」を、地域の子どもたちにも体験してもらおうと、平成11年度から加えられた新企画です。グラフィックデザイナー・駒形克己さんの絵本は、お話がなく図形だけで構成されていたり、穴があいていたり……。シンプルでなおかつ見立て遊びや自分でストーリー作りができる、不思議な世界をもっています。
 会場ではまず、そんなコマガタワールドをスタッフが実物やビデオで紹介。そして実際にワークショップで作る3種類の絵本、「顔のカード」「くるりと変化」「のびるカード」の作り方を説明して、「うまいとかヘタとか、失敗しちゃったとか思わなくていいから、自由に何枚でもやりたいだけやってね」と、子どもたちが気楽に遊べる雰囲気をつくります。
 好きなカードを選んでさっそく作り始める子、駒形さんの絵本や壁に掲げられたパネルを見ながらアイデアを練る子。小さい子はお母さんやお父さんも一緒になって、色画用紙を貼ったりサインペンで色を塗ったり。「顔のカード」を仕上げて壁に貼りに来た男の子は「これ、お父さん。メガネをかけてるんだ」と言ってもう1枚、顔のカードを手に取ります。人の顔だけでなく動物やロボットなど、いろいろな顔が壁を飾っていきます。
完成した自分だけの絵本をみんなに披露。
 今回のゆめたま号は「常滑市文化協会美術部・子どもの絵の会」からの申請で、出かけました。絵の会のメンバーで、小学生の子を持つ長坂亜優さんは「会場探しやチラシづくりなど準備は大変でしたが、近隣の市からも参加申し込みがあり、予想以上の反響。子どもにいろいろ体験させたいと思っている親が、たくさんいると実感しました。これからも楽しい企画ができるといいですね。またやりたいです」。
 えほんのワークショップのおしまいは、希望者がみんなの前に立ち自分の作品を発表。「くるりと変化」を裏返すと森の中に宝物が出てきたり、「のびるカード」を広げると首のなが〜いキリンが現れたりと、どれも個性的で、なかには自分でマイクを持ってストーリーを語る子もいたりして。
 壁に飾った「顔のカード」は、常滑市文化会館のアートギャラリーに展示されることになりました。名残惜しそうに友だちと作品を見せ合う子どもたち。そして、この日みんなが使った色画用紙の残りは、小さな切れ端も箱に戻して、次の子どもたちのために……。

えほんのワークショップ(3種類のカード)


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