特集 実感!!Special Edition

町で唯一の男性保育士、加藤さん。4年目から保育を楽しめるように。
 「ちゃんと、ゴミ拾っといてよー」
 「さあ、だれが早いかなあ〜?」
 長久手町立長湫西保育園、午後3時すぎ。4歳児26人のクラス「きぐみ1」を受け持つ加藤雄一さん(27歳)は、子どもたちにおやつを食べさせたあと、みんなに声をかけ後片づけや帰りじたくをうながす。その一方でゆっくり食べている子を手伝い、自分の荷物を広げて座り込んでいる子をさとす。
 「したくができたら座ってねー」。みんなが用意できたら、お迎えが来るまで「キラキラ星」を歌ったり、紙芝居を見せたり。合間をぬって、今日の活動内容をホワイトボードに書き込み、保護者が一目でわかるよう廊下に掲示する。
 加藤さんは保育士になって今年で5年目。福祉大学を卒業し、この町でただ一人の男性保育士として働き始めた。「最初の3年間は必死でした。1年目は1歳児を担当したんですが、一緒に組んだベテランの先生の意図をくみ取って動こうと思っても、それがわからなくて。2年目の4歳児のときには、大きいからこれぐらいはできるだろう、という目で見てしまって怒ることが多かったし、そのまま持ち上がって5歳児を担当した3年目も、もうすぐ小学生なんだからという期待感とあせりから、ガーンと言ってしまったり」と振り返る。
 「4年目になって急に余裕ができ、保育って楽しいなと思えるようになりましたね。3歳児を受け持ったんですが、前の年の年長さんと比べて、まだ年少だからできなくてもしょうがないと、ゆったり構えられたんです」。いろんな年齢の子どもと接した経験によって、加藤さんは心のゆとりを持って保育できるようになった。そして保育という仕事の面白さを実感し、前とは違った気持ちで今また年中さんたちの世話をする。


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